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セミナー等情報

不定期に外部研究者によるセミナー(複雑系生命システム研究センターセミナー)を行っています(生物普遍性研究機構のUBIセミナーとの共催が多いです)。

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  • 混雑下のナノ~マイクロマシン集団:内部状態と環境の相互干渉

    冨樫 祐一 氏

    広島大学大学院統合生命科学研究科・理化学研究所生命機能科学研究センター

    Date:5月23日 15:00-

    Place:東京大学駒場キャンパス 16号館829 (map)

    細胞の活動は酵素などナノスケールの分子機械によって支えられている。細胞自体をマイクロスケールの機械ととらえることもできるだろう。また、合目的的な人工マイクロマシン、さらにはナノマシンも開発されている。 こうした「機械」は一般に、機能のサイクルと連動して構造が変化する。言い換えれば、構造が機械の内部状態に依存する。逆に、例えば構造変化が妨げられると機能も停止するというように、外界が構造を介して内部状態に影響を与えることもあるだろう。そうであれば、複数の機械が近接している時、互いの動作に干渉することも想定される。例えば、極めて混雑した膜面上で、分子機械集団の振舞いはどのようになるだろうか。 このような構造と状態が連動した機械の集団的振舞いについて、いったん個々の機械の特性を離れて、抽象化したモデルを用いて考えてみる。まず、簡単な場合として、内部状態が1つの変数(位相)のみで表され、構造(形状)を状態に依存して大きさの変化する円盤(2次元)や球(3次元)とした場合について、その集団的振舞いをシミュレーション(ブラウン分子動力学)により考察した。極めて単純なモデルであるが、機械の密度に依存した相転移的な振舞いや、1つの機械の動作が先行することをトリガーとした動作の変化などが見られた。機械=酵素のモデルとして化学反応と組み合わせることも容易で、化学的なフィードバックと力学的なフィードバックをあわせたパターン形成なども見られる。機械の大きさによるゆらぎの程度の違いも、振舞いに影響することが示唆された。 今後の課題として、細胞と環境、あるいは細胞同士での力学的な相互作用(例えば、基質の硬さや、細胞同士の「おしくらまんじゅう」)に注目した、細胞集団モデルへの応用の可能性についても議論したい。
    [1] Y. Togashi, "Modeling of Nanomachine/Micromachine Crowds: Interplay between the Internal State and Surroundings", J. Phys. Chem. B 123, 1481-1490 (2019).

東京大学東京大学 大学院総合文化研究科生物普遍性研究機構