[質問1]
なぜ研究者になったのか
「定め」という答えじゃダメですかね(笑)?自分が生まれ育った環境、自分の興味、恩師や友人といった色々な要因がLong-rangeに効いている気がして、これだと答えるのは結構難しいです。
研究の原体験としては、小学校の自由研究だったのかもしれません。1年生のとき、メダカの観察をしたのですが、メダカを飼っていた水槽の中で水草から貝が大発生したのです。買った水草に卵が付着していたようです。なんじゃこりゃとなって、2年生、3年生のときはその貝(サカマキガイ)の自由研究をしました。身の回りの不思議に対し「よし自分で調べよう」となるマインドセットは、その頃の両親に植え付けられたのだと思います。今でこそ難しい専門用語も使って研究してますが、ベースはそのときのまま変わってない気がします。
職業としての研究者を意識するようになったのは、大学に入り、当時の基礎科学科(現在の統合自然科学科の前身)に進学して、研究室という研究現場に出入りするようになってからですかね。私の指導教員だった安田賢二先生の着想力や、同じ学科の金子邦彦先生の生命観に触れて、心の底から、これこそ自分のやりたいことだと思えたのは大きかった気がします。そこで「研究者になる」という覚悟ができました。