[質問2]
研究生活
大学院では金子邦彦先生(複雑系)の研究室に所属し、初めは力学系の研究をしていました。実際には、うまくいかないことが多く、しょっちゅうテーマを変えていました。他の研究室との合同セミナー(池上高志先生や、当時駒場にいらした佐々真一先生、途中からは福島孝治先生も)や、生物学を含む多様な分野のセミナーを聞く機会が多い研究室で、また、学生同士で議論(というおしゃべり)ばかりしていた気がします。博士課程でやっていた、どちらかというと抽象的なネットワークの話が、たまたま「体節形成に使えるんじゃない」という話になり、ショウジョウバエの体節形成ネッ
トワークを調べ始めました。これが生物の問題に取り組んだ始めての研究でした。この系を調べながら遺伝発生学の勉強をしたりと泥縄で進めていましたが、後から見ると理論的にも取り扱いやすい系で、この系から入ったのはラッキーでした。
教員になってからは、さまざまな仕事でなかなか研究時間が確保できないのが現実ですが、セミナーや論文紹介など、また日々の会話でラボメンバーや共同研究者と話しながら面白いことを探している日々です。思いついたことを頭で考える妄想状態(←面白いけど大体間違っている)が多くなった気がします。この妄想を育てるのには、他の人ともっと話すことが大事なんですよね。